asken テックブログ

askenエンジニアが日々どんなことに取り組み、どんな「学び」を得ているか、よもやま話も織り交ぜつつ綴っていきます。 皆さまにも一緒に学びを楽しんでいただけたら幸いです!

あすけんのプロダクトマネジメントチームを作った話

こんにちは!askenの道江です。

askenのプロダクトマネジメントは、つい最近まで私を含め1~2名が中心になって行っていましたが、ここ数年は急激に事業が成長し、それに応じて組織も拡大しました。より多くのユーザー価値を創造し続けるため、この4月から複数人のプロダクトマネージャーを中心としたプロダクトマネジメントチーム体制に移行し、私がCPO(Chief Product Officer)を務めることになりました。

今回は、プロダクトマネジメントチームを立ち上げるに至った経緯や、チーム体制に移行して気づいたことなどについてお話したいと思います。

なぜプロダクトマネジメントチームを作ろうと思ったか

■少人数から、複数チームへの成長

プロダクトマネジメントチームが立ち上がる以前のaskenのプロダクト開発は、実質1~2名でプロダクトマネージャー的な役割を担いつつ、企画・仕様などを作成し、外部のパートナーさんに開発をお願いする形で進めてきました。少人数の組織でリソースも限られていたため、ユーザー調査やデータ分析→要件定義→開発管理→デバック→リリースまで一人でなんでもやっていました。

体系だったプロダクトマネジメントの仕組みはありませんでしたが、10年以上ユーザーさんと話し、さまざまな機能をリリースしては反応を見てきました。その経験の積み重ねで、「こうしたら喜ばれそうだな」とか「こうしちゃうと分かりづらいだろうな」などが感覚的に掴めるようになっていました。 4年ほど前にプロダクトマネジャーが新たにジョインしてからは二人体制になりましたが、1:1で話す機会も多くあり、都度対話しながら進めていたので、仕組化する必要性を感じてはいたものの、日々の業務は暗黙知で成り立っていました。

冒頭に記載した通り、ここ数年で急速に事業も組織も拡大し、新しい仲間たちが続々とaskenにジョインしてくれました。 よりたくさんの企画・開発を回せる体制になりましたが、いつまでも1-2人が全てを見ていてはアウトプット・アウトカムを増やすことができません。ボトルネックを解消するためにも、暗黙知を形式知化して共有するためにも、この4月からはプロダクトマネジャーを複数人配置し、私がCPOとして全体をまとめるプロダクトマネジメントチームを作ることにしました。

現在、プロダクトマネジメントチームには、私を含めると5名のプロダクトマネージャーが在籍しています。

■チーム体制になって気づいたこと

プロダクトマネジメントを個人からチームへと移行する過程には、私自身反省すること、変わらなければならないと思うことが多くありました。

少人数で作っている時は、プロダクトのビジョンやWhy、Whatといった「何のために、誰のためにやるのか」が経験ベースで理解できていたため、自分の頭の中にあるだけで明確に言語化していませんでした。 これまでの施策の企画書もバラバラに保管されていて、ひとつにまとまっていなかったため「この機能はなんのためにあるんですか」「この仕様はどうしてこうなっているんですか」という質問に過去の資料を掘り返して答える状況が続きました。思い返せば、その時々でユーザーに向き合い、意図があって作ったものなのに、その真意や経験の積み重ねが、これまで仕組みとしてやってこなかったことで受け継がれていかないのだ、ということを痛感しました。

チームが拡大していく過程では、プロダクトのコア価値やビジョンを明確に文書や言葉にして共有する、あすけんのプロダクト開発のプロセスを明確にして共有できる状態で残していくことが必要だということを実感しました。

■ユーザー価値を創造し続けていくチームになるために

プロダクトマネジメントチームを発足してすぐの4月、CPOとしてプロダクトマネジメントチームの目指す方向性について発表しました。

【目指す方向性】

  • asken社員全員がプロダクト志向になる
  • あすけんのプロダクトがこれからどう成長していくのか、事業戦略と合わせて明確に示す
  • エンジニアやデザイナー、栄養士、マーケター、事業部メンバーといったさまざまな背景を持ったメンバー達と、プロダクトの「How」だけではなく、「Why」と「What」を共有して、目線を合わせてユーザー価値を創造し続けていく

4月に方向性は発表したものの、私自身はCPOとして何か価値を出せているかといえば、正直まだ何もできていません。まだ手探りの状態で、改めてプロダクトのコア価値を言語化して伝えていくことの難しさにぶち当たっているところです。ただ、組織の形を作ることで、プロダクトマネージャーを中心に各チームが自律的にチームビルディングをし、ユーザーに向き合いながら前進してくれていると感じています。

askenにはありがたいことに、同じ熱量でプロダクトの未来を考えてくれる仲間がたくさんいます。いまは中長期のプロダクトの方向性をプロダクトマネージャーだけでなく、VPoE、EM、事業部長と共に週1回のMTGを通じてディスカッションしています。

■askenのプロダクトマネージャーの役割とは

プロダクトマネージャーの役割

プロダクトマネジメント組織の中心となるのがプロダクトマネージャーです。 プロダクトマネージャーの役割とはなにか?いくつかの書籍を読んで一般的にはどういうものかは理解しましたが、サービスの規模やチーム構成によって、その役割定義は変わってきます。あすけんのプロダクトマネージャーの役割はどの範囲までか?ディスカッションする中で以下の3つに集約してみました。

  • プロダクトのビジョンを意志をもって描く
  • ユーザー価値を定義する
  • 正しくユーザーに届ける

色んなアイデアや施策が出てくる中で、思い付きでプロダクトをつくってしまうとプロダクトとしての一貫性が保てなかったり、使われない機能がたくさんある状態になってしまいます。そうならないためにも、たとえ小さい施策であったとしても、ビジョンにあっているのか、ユーザー価値はあるのかという問いを、自分自身で、チームで、考えるステップが必要です。

人が増えたらやれることは増えますが、あすけんの場合は、機能を増やすよりも磨いて集約していく方が重要なステージになってきていると感じています。だからこそ、プロダクトマネージャーがこの3つを役割としてまっとうすることで、ビルドトラップを防ぎ、プロダクトとしての一貫性を保つことができるのです。

プロダクトマネージャーはチームのハブになるため、どうしても業務が広がりがちです。周辺の仕事をすることは決して悪いことではなく、経験として知っておくことで視野も広がりますし、誰かがやらなければならないことでもあります。ただ常に「ユーザー価値に向き合い正しく届けること」がプロダクトマネージャーの役割であることを意識するように伝えています。

今回、学んだことは、永続的に価値あるプロダクトを生み出すには、これまでの学びをチームで共同保有できるプロダクトマネジメントが必要だということです。

プロダクトマネジメントが確立していれば、チームが拡大しても、会社のミッション、プロダクトビジョンに沿ったアイデアが生まれる、その仮説・検証するサイクルを回すことで、ユーザー価値のあるプロダクトを素早く正しく届けることができます。

まだ始まったばかりではありますが、関わるメンバーが増えても、変わっても、ユーザー価値のあるプロダクトとして進化し続けられるように、「あすけんのプロダクトマネジメント」をメンバーみんなで作り上げていきたいと思っています。

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