こんにちは。「あすけん」のプロダクトマネージャーを担当しながら、社内の「組織強化委員会」にも所属している伊藤です。
組織強化委員会とは、主にミッション・ビジョン・バリューの浸透を目的として様々な活動を行っている社内委員会です。
今回は、昨年度に1年掛けて実施した「バリュー刷新プロジェクト」の流れを一通りご紹介します。この記事を通してaskenの雰囲気を知っていただきたいですし、まさに今バリューの見直しを検討されている方にとって、何らかの参考になれば嬉しいです。
目次
バリューの役割と重要性
「ミッション・ビジョン・バリュー」を掲げる企業は多く、会社によってその捉え方は様々です。
askenでは「ミッション実現に近づくために、社員1人1人が持つべき価値観」といった意味合いで「バリュー」を捉えています。なおaskenのミッションは、「人々の明日を今日よりも健康にする」となっています。
バリューが設定されていることで、様々な背景や状況のメンバーが一緒に働くなかでも、ミッションに向けて足並みを揃えられる効果があると考えています。
バリュー改訂の背景
従来までもaskenにはバリューが存在していましたが、組織拡大や状況の変化に伴い、人によっては自分ごと化できていなかったり、本当は意識しておきたい価値観が実際のバリューに含まれていない状況になってしまっていました。
このため、創業15周年を迎えるタイミングで、バリューを刷新することを決め、その推進を組織強化委員会で担うこととなりました。
バリュー改訂の段取り
全体のロードマップとしてはこちらの通りです。トップダウン・ボトムアップどちらかに偏らず、共創する過程でバリューへの理解を深めていけるワークフローを目指しました。
それでは、バリューをフルリニューアルするまでの段取りを1ステップずつご紹介します。
① 従業員の思いを聞くワークショップ
取組内容
全社員をランダムなグループに分け、次のようなお題について各々の考えを出し合いました。
- あなたが思う「askenらしさ」とは?
- それぞれが思う「askenらしさ」の中に共通点はある?
- みんなが考える「askenらしさ」と現状のバリューの差分は?
ポイント
「askenらしさ」を考えるうえでは、普段業務を行っている上で、(1)良いと思うところ (2) 課題だと思うところ (3) こうしたいと思うところ、3つの軸で意見を出し合うことで、良い面も悪い面も「askenらしさ」として抽出されるようにしました。
敢えて普段一緒に仕事をしていないメンバー同士で意見交換することで、見えていなかった会社の側面や価値観を引き出せるようにしました。
結果
多様な意見が出ましたが、総じて「みんな優しい」のがaskenの良さではあるものの、時として遠慮に繋がってしまう部分が課題となっており、良いサービスを作り成長していく上で、「時には建設的な衝突をしていくべきだ」という結論に至るグループが多かったです。
② 経営陣の思いを聞くワークショップ
取組内容
前項のワークショップ結果を踏まえた上で、当社役員の2人に対して、次のようなお題を投げかけました。
- これからのaskenでも守り、維持していくべきことは何か?
- これからのaskenでは攻めて、改善してくべきことは何か?
- 上記の他に、バリューに掲げたい要素やニュアンスはあるか?
ポイント
現役員の2人はasken創業者でもあるため、従業員の思いをベースとしつつ、役員2人の大事にしている価値観や意志をバリューに反映させたいと考えました。
結果
バリューの骨子として、次のような内容に纏めることができました。
- asken社員は、自分も含めて業務で関わるあらゆる人の「健康」を真摯に考えるべき
- 既存の枠組みに囚われない高い目標を常に持ち、チャレンジし乗り越えていく志を持つべき
- そのために、物事を自発的に「学び・考え抜き・実行する」サイクルを回すべき
- そのサイクルを高速かつ良質に回すためには、遠慮をせず対等にフィードバックし合える関係性を築くべき
③ バリュー骨子に対する理解を促すワークショップ
取組内容
前項に纏めたバリュー骨子に対する理解を促すために、全社員をランダムなグループに分け、次のようなお題でアイデアを出し合いました。
- このようなバリューがあったら、あなたはどのような行動を進んで取りたいですか?
- このようなバリューがあったら、あなたはどのような行動は避けるべきだと思いますか?
- このバリュー骨子に関して、理解が曖昧だったり、わからない部分はありますか?
ポイント
些細な疑問や違和感まで出し合うため、(リモート主体のワークスタイルではありますが) 全員が顔を合わせて意見を出し合う形でワークショップを実施しました。
ワークの成果を代表者が発表する形を取ることで、より自分ごと化してもらうと同時に、他グループの考え方を学ぶことができるようにしました。
結果
具体的な行動について考えてみることで、各々の言葉でバリューの内容を噛み砕くこととなり、理解が深まりました。また、次のステップで実施するコピーライティングでも活かすことができるキーワードやニュアンスのアイデアを得ることができました。
④ 新バリューの決定(コピーライティング)
取組内容
ここまでの成果物を組織強化委員会メンバーで咀嚼し、新バリューとして掲げるキャッチコピーとボディーコピーの形に纏めていきました。
ポイント
当初は外部のコピーライターさんに相談する等の方法も検討されましたが、今後長いあいだ自分たちが大事にする言葉になるので、多少アラがあったとしても、自分たちで纏め上げることにこだわりました。
細かい表現は各々の好みによる部分も出てきてしまうので、各々で叩き案を持ち寄り、投票による定量評価→それぞれのフレーズに対する定性的な意見出しを2回繰り返した後、1人が最終形に纏め上げるアプローチを取りました。
結果
このようなバリューが完成しました。
新バリューの発表にあたっては、言葉に込めた思いなどを資料で補足することも検討しましたが、ここまでの議論で話し合われたニュアンスが全て詰まったバリューになっていたため、一切補足する必要もなく伝えられた点が感慨深かったです!
⑤ 新バリューの理解を促すワークショップ
取組内容
全社員をランダムなグループに分け、次のようなお題で各々の考えを共有しました。
- 今のあなたは、これらの新バリューそれぞれをどのぐらい体現できていますか?100点満点中何点で教えてください。
- 100点に近づけるために、どのように行動や意識を変えていきますか?
- 明日から意識してみたいことや行動してみたいことを1つ決めてチームで共有してください。
- この新バリューを浸透させるための社内制度や福利厚生について、自由にアイデアを出し合い、チームでベスト3を決めて発表してください。
ポイント
具体的なケーススタディでのワークも検討しましたが、新バリュー発表と同時に行ったワークだったため、まずは軽い気持ちで楽しくアイデア出しをしつつ、バリューに対する咀嚼も促すことができるお題にしました。
結果
メンバーそれぞれがバリューについて考え理解を深めた結果、例えばこのようなアイデアが出てきました!
- 健康を基点に:健康食のお弁当購入補助、健康グッズ購入補助制度
- Learn, Think, Do,: 社内LT会の定期開催
- "強い優しさ"で対話:社内Slackにありがとうチャンネルを作る(フィードバックをし合いやすい環境作り)
- いつまでも育ちざかり:MSP(Most Sodachizakari Person)表彰制度
バリュー改訂の効果
バリュー改訂から約1年間が経ち、社内の会話やプレゼンでも、自然にバリューに含まれるキーワードが使われるようになりました。社内Slackでは、バリューの言葉をスタンプ化し気軽に使えるようになっています。
また、全社的にもバリューに基づいた取組をどんどんと取り入れています。例えば、全社ミーティングの冒頭で体操タイムを取り入れたり(健康を基点に)、クリティカルシンキングの勉強会を実施したり(Learn, Think, Do, )しています。
新バリュー制定後に入社した方々に対しても、バリュー理解を促す取組を行っています。詳しくは本杉さんが纏めてくれたこちらのWantedly記事をご覧ください!
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