こんにちは、Androidエンジニアの高津です。
Google I/O 2022で発表された Android Health Connect を紹介します。
Health Connect 概要
Health Connectは、体重や体脂肪、運動や歩数、血圧等の健康やフィットネス、ウェルネスに関するデータへのアクセスを統合する新しいAndroidの仕組みです。
クライアントアプリはHealth Connect API経由でHealth Connectアプリが保持するデータの読み込み、書き込みが可能となります。
ユーザーは、アプリごとにどのデータに対して読み込み、書き込みを許可するか設定できるようになります。 アプリのアクセス権はHealth Connectアプリから設定できます。
たとえばGoogle FitとFitbitの両方を利用している場合に、歩数はFitbitからの書き込みを許可し、Google Fitからの書き込みを許可しないように設定することが可能です。
iOSのHealthKitと同様のことができるようになる、といえばイメージしやすいでしょうか?
注目すべきポイント
以下に自分が注目したポイントを列挙します。
Android SDK バージョン 28 以降のみサポート
Health ConnectはAndroid SDKバージョン28(Pie = Android 9)以降のみのサポートとなっています。
あすけんは現在Google Fit連携とFitbit連携を実装していますが、minSdkVersion=23(Android 6.0)のためHealth Connectを利用できないユーザーが存在します。
そのため、すぐにHealth Connectを導入してもGoogle Fit連携とFitbit連携を削除することはできません。
Deprecated Fit Android API
Fit Android APIがDeprecatedとなりました。2024年末に廃止されることが明言されています。
あすけんと同様にFit Android APIを利用していてminSdkVersionが28未満の場合、2024年末までにminSdkVersionを更新するスケジュールを計画しておきましょう。
Google Fit、Fitbit、Samsung Healthは対応確定
Google Fit、Fitbit、Samsung Healthの3つは対応することが約束されています。1
あとは自分の周りでもユーザーの多いXiaomi Smart Bandに対応するZepp Lifeが対応してくれることを期待したいですね。
Google Fit,Fitbitとの違い
Google FitやFitbitはアカウントがデータを保持していますが、Health Connectはデバイスがデータを保持するようになります。
複数のデバイスでの利用が前提になっている場合、慎重に検討する必要がありそうです。
利用可能なデータ種類と読み込みできるデータがあるか
Health Connectで利用可能なデータ種類は多岐に渡りますが、読み込みたいデータが書き込まれているかは別の話です。
機能を実装する前に、読み込みたいデータを書き込んでくれるアプリが存在するのかは調査した方が良いかもしれません。
Health Connect利用に対する審査
Google Fitの場合、Google Cloud ConsoleのOAuth同意画面から審査を受ける必要がありました。
Health Connectを有効にする場合も何かしらの審査が求められるのでしょうか?
OAuth同意画面の審査でリジェクトされたことがあるため、ちょっと気になります。
おわりに
Health Connectアプリはopen betaで公開されていますし、サンプルコードも公開されています。
サンプルコードを読んで、実装しやすそうな印象を受けました。
GoofleFit連携を実装している既存のアプリはサポートバージョンの都合上、今すぐに置き換えるのは難しいですが、Fit Android APIの廃止も決まっているため引き続き注目していきましょう。
積極採用中です!
askenでは、一緒に働いてくれるエンジニアを募集しています。少しでも興味を持っていただけたら、ぜひ採用情報をご確認ください。
- Google I/Oのセッション中に明言されていました↩