はじめに
こんにちは😊askenのishikawaです。 普段はBigqueryやRで、日本版あすけんのデータ分析を行っています。 US版あすけんのお手伝いをすることもあり、こちらの記事を一番読み込んだのは私だと思います。(大倉さんありがとう😄)
さて、最近世間を賑わせてるNotionですが、新しもの好きのトップの影響で、日本語に対応してすぐ、askenでも導入しました。askenではesaからの乗り換えだったのですが、Evernoteからの乗り換えも多そうですね🤔
Notionを使い始めて感じたのは、データベースが簡単に作れて素晴らしい!ということ。そこで、営業支援ツールを作ってみることにしました。
営業案件をExcelで管理することの課題
営業が抱えている案件のステータスや進捗が見えない
Notionを導入するまでは、Excelで案件&売上の管理をしていました。数字を管理することに関しては、やっぱりExcelが優秀だなと思います。しかし、ステータスや進捗の管理など、営業が各案件に対して、どういった状況なのかを把握することに限界を感じていました。
不毛なやり取り
マネージャー「〇〇さん、この案件どうなってますか」
営業「すいません、まだ電話がつながらず、確認できてません」
マネージャー「先週もその状況でしたよね?今日中にお願いしますね」
といったやり取りがしばしば。毎日の朝礼で「これどうなってますか」の確認がホントに多いなと、感じていました。
SFA導入の検討
うちのマネージャーも新しもの好き。「SFA!MA!画期的!」と導入したがってました。
※SFAは営業支援システム(Sales Force Automation)、MAはマーケティングオートメーション(Marketing Automation)のこと。
SFA導入の断念
結論、SFAは当然ながら高い。そして、使いこなせるイメージが湧かなかったですね。🤔結局MAを使いものにするには、営業単位で色んな項目を入力していく必要があります。私の勝手なイメージですが、最初だけ入力して、めんどくさくなって入力しなくなり、結局一部の機能しか使わなくなる気が・・。(偏見)
これ全部Notionでできるのでは?という思惑
そもそもSFA、営業支援ツールって何ができるのか?マネージャーは何がしたいのか?ということで、ちょっと調べてみました。
SFAの4つの管理機能
- 案件に関する情報を俯瞰できる「案件管理機能」・・進捗管理的な
- 日々の営業活動を管理する「活動管理機能」・・タスク管理的な
- 顧客の情報を集約してひと目でわかる「顧客管理機能」・・CRM的な
- 商談のプロセスを管理する「商談管理機能」・・議事録管理的な
なるほど。Notionでできそう🤔簡易的につくってマネージャーにお披露目したところ、「やりたいこと全部できます!」だったので、本格的に移行することにしてみました。
ほんとはもっといろいろできるけどね
SFAの4つの管理機能を挙げましたが、もっと色々できますよ。それはそれは素晴らしいツールだと思います。でも色々できても営業はやらない!!!(経験談)
データベースの設計
どんなデータベースが必要かというのは、過去の経験から、既に私の頭の中にあったので、それを形にしてみることにしました。
作成するデータベースを決める
- 案件テーブル
- 予算テーブル
- クライアントテーブル
- 代理店テーブル
- ユーザーテーブル
- 商品テーブル
全ての軸は「案件テーブル」
案件テーブルにすべてリレーションする
案件とは…1つの商材・サービスに対してのキャンペーンのこと
例)1案件・・4/22にサプリメントのメルマガ広告(30万)を配信
基本となる案件テーブルはこちら
※商材や計上金額は全て架空です。
タイトルは商材・サービスです。〇〇サプリメントや糖質オフ〇〇などが該当します。
広告主はクライアントテーブルのリレーション・担当はユーザーテーブルのリレーション、代理店はユーザーテーブルのロールアップになっています。
広告主もユーザーテーブルのリレーションでいいのでは?と思うところですが、代理店は複数のクライアントを抱えている=一意にならないので、このような形にしています。
実際の案件テーブルはもっと情報が盛沢山になっています。
予算テーブルはこんな感じ
①受注金額は案件テーブルをリレーションし、ロールアップで合計を出しています。ちょっとしたコツですが、ロールアップの値は、②のリレーション先で表示させることができないので、関数を使い、一度変換をする必要があります。四半期用テーブルでは、【受注金額】ではなく、【Q用_受注金額】をロールアップしています。
クライアントテーブル、代理店テーブル、ユーザーテーブルはこんな感じ
管理ページのTOPを作ってみる
データベースができたら、営業が毎日見るページを作っていきます。
TOPページの売上管理はこんな感じ
トグル見出し1の中にコールアウトブロックを作り、その中にテーブルをいれています。
これで毎月の計上額が分かるようになりました。計上は申込書をもらった状態です。しかし、これでは今月の売上がいくらぐらいになりそうだ、というのが分かりません。そこで、着地見込みの管理表も作ります。
月別の着地予想は、予算テーブルを使用します。4月の計上、A、Bのみをフィルターし、ロールアップされている受注金額に対して、見込みを計算します。 予算テーブルでは、受注の角度別に項目を決めています。本当はセレクトのプロパティで管理したかったのですが、ロールアップができないため、このような形にしました。
- 計上・・申込書が届いている状態
- Aヨミ・・ほぼ受注できそう、申込書待ち
- Bヨミ・・受注できるか確率としては50%
- Cヨミ・・時期、金額、商材は決まっているが、受注できるかは不透明
- ネタ・・引き合い、問い合わせ
計上はそのままの値を使用します。Aは値の90%、Bは値の50%を使用し、その合計を着地予想とします。Cヨミとネタに関しては、着地予想の数字には反映させません。関数はこんな感じ。
if(prop("ステータス") == "計上", prop("受注金額"), if(prop("ステータス") == "A", prop("受注金額") * 0.9, prop("受注金額") * 0.5))
この月別の着地予想に対して、あといくら足りないのか、達成率はどのくらいかを見ることができます。このテーブルでは、月の予算はクリアできそうだということが分かります。同様に、四半期、上期下期、通期も作っていきます。Notionではセルの参照、みたいなことができないので、着地予想がどうしても手入力になってしまいます。こうしたらいいかもというアイデアをお持ちの方がいれば教えてください🥺
TOPページの案件管理はこんな感じ
売上管理の下では、月別に案件管理のボードを作成しています。このボードを見ると、問い合わせがあったものに対して、連絡をしているかどうか、商談・提案をしているかどうかが把握できます。
- Lead・・引き合い、問い合わせ
- Contacted・・連絡済み
- Proposed・・商談済み、提案済み、申込書待ち
- Closed・・受注
個別の代理店ページはこんな感じ
個別の代理店ページでは案件テーブルを引っ張ってきて、代理店でフィルターをかけ、ステータスごとに表示させています。
これは実際のとある代理店のページですが、案件の引き合いや問い合わせは多いものの、受注には1件もつながっていないことが分かります。不明というのは、どの企業のどの商材かは明かせない状態での問い合わせという意味です。
個別のクライアントページはこんな感じ
個別のクライアントページでは案件テーブルを引っ張ってきて、クライアント、ステータスが受注のものでフィルターをかけ、月別に表示させています。
こちらも実際のとあるクライアントのページですが、月によって案件数は異なるものの、コンスタントに受注できていることが分かります。
Notionは顧客ごとにカスタマイズして、様々なビューを作成できるので、とても使い勝手がいいと思います。定期的に受注しているクライアントと、一度も受注していないクライアントでは得たい情報は違うはずですからね。😊
データベースの副産物
Notionで売上管理、案件管理の運用をしていく中で、思わぬ副産物がありました。ある営業の課題に、受注した案件に対して、請求書を発行するのを忘れがちになってしまうというもの。askenのタスク管理はAsanaでやっているので、Asanaでタスクを入力すればいいのですが、入力するのを忘れる、そもそもタスクとして入力するのが面倒ということで、請求書発行一覧を作ればいいのではということで、以下のような請求書発行を確認できるページを作成しました。
案件テーブルを引っ張ってきて、ステータスを受注、計上月を該当月にするというシンプルなもの。これで請求書発行も忘れなくなったようです😊こういった副産物があるのもNotionならではだなぁと思います。
今後のNotionでの管理ページ作成予定
まだ作成中ですが、案件テーブル、商談(議事録)テーブル、ユーザーテーブルをリレーションさせ、営業先のどの担当者がいると受注につながりやすいか、など確認できるページを作る予定です。また、メール配信システムと連携させて、失注から3ヵ月後にメルマガを送れるようにしたりできないかなと考えています。あとはグラフを盛り込みたいのですが、Notionのアップデートを期待します😊
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